第44回日本外科系連合学会学術集会

会長挨拶

第44回日本外科系連合学会学術集会 会長
小坂 健夫(金沢医科大学 一般・消化器外科学 教授)

 第44回日本外科系連合学会学術集会をお世話させていただきます金沢医科大学 一般・消化器外科学教授 小坂健夫です。非常に光栄に存じますとともに、教室のみならず、金沢医科大学 各講座および金沢医科大学病院 各部署の協力を得て、本学術集会が実りあるものとなるよう努力するつもりであります。

 本学術集会は、金沢では1982年に第7回を金沢大学第2外科 宮崎逸夫 教授が金沢国際ホテルにて、さらに2006年に第31回を教室の髙島茂樹 教授が石川県立音楽堂を中心に開催しており、2019年は13年ぶり3回目となります。また、新年号元年にあたり、記念すべき学術集会となります。

 今回は『外科をいかす』をメインテーマとさせていただきました。「いかす」には「生かす」と「活かす」の二つの漢字があてられます。外科医を目指す若手医師の減少が叫ばれて久しいですが、2018年からの新専門医制度においても、外科専攻医希望が減少したことが報告され、さらなる外科離れが指摘されています。そんな中で「外科を生かす」ための方策を、外科系諸科から論じていただきたいとの思いでテーマにしました。外科系専門医教育、ワーク・ライフバランス、地域格差など共通の課題に対する取り組みの現状と将来展望についてのセッションを考えています。

 また、手術は病院の生命線ですが、外科医だけでは手術を中心とする治療は成り立ちません。「外科を活かす」ために、多くの診療科、多くの職種が協力することで良い結果が望めると思います。それぞれのご施設で、疾病の治癒を目指しながら、合併症・後遺症を防ぐ、その工夫と成果をご発表いただきたいとの思いでテーマに掲げました。外科系諸科間あるいは外科とリハビリテーション、栄養、薬剤および看護など他部署との連携と協働の現状と問題点について、各チャプター委員長にご提案をお願いしています。

 さらに、特別講演につきましては、特別講演1として、国立がん研究センター先端医療開発センター 土原一哉先生に外科とがんゲノムについて、また、特別講演2としてPMDA医療機器審査第二部長 石井健介先生にSUDにおける再製造について、それぞれ、ご講演をいただきます。さらに教育講演として、外科とサルコペニア・フレイルについて国立長寿医療研究センター 荒井秀典先生にご講演をいただきます。いずれも、精密で、安全で、確実な外科治療を行う上で、極めて重要なテーマと思いお願いしています。

 6月中旬の金沢は梅雨ですが、白山の残雪や、兼六園を始めとする観光名所の樹木や花々は本当に目に鮮やかです。外科をご専門として施設を代表される先生方には、ぜひ若手の先生方をご指導いただいて、多くのご演題を応募いただければと存じます。また、外科に関連する診療科、診療部署、看護、薬剤、栄養、リハビリテーションなど、すべての職種の皆様に演題の応募をいただき、初夏の金沢で熱心にご討議いただき、将来の外科がいきいきと活躍できますようにと願っています。多くの皆様のご来沢を心よりお待ち申し上げております。

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