2018年4月から新専門医制度が始まり、1年が経過した。外科系基盤領域のそれぞれのプログラム専攻の現状と新制度の課題について討論していただきたい。

高齢者の手術があたりまえとなっている。併存症が多く、平均余命が短い高齢者手術を安全に、しかも効率的に実施するための戦略を語っていただきたい。

構造・機能の画像表現の進歩が目覚ましい。最新画像技術の手術応用を、実例を示して欲しい。新画像技術の可能性の追求を期待する。

外科系医師の長時間勤務や救急外来対応が問題視される。女性医師では、加えて妊娠・出産・育児の間の処遇や復帰対策が課題である。女性医師に活躍の場を提供する取組みの実際や新しい提案を期待する。

外科技術の進歩に伴い専門化や細分化が進む一方で、救急、手術あるいはIVRなどの現場での円滑な協働が極めて重要となってきている。各臓器・疾患・病態での、多科での協働・連携の取り組みを報告していただきたい。

周術期における外科医、麻酔医、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士など多職種の連携は、早期回復をもたらし重要な位置を占める。各施設で実践されているチーム医療の現状と術後合併症の予防や早期離床・社会復帰を進めるための体制や成果について紹介していただきたい。

ロボット手術の普及は目覚しく、泌尿器科領域に加え、呼吸器・消化器・心臓血管外科領域でも保険収載された。各領域における最先端手術を映像で提示していただきながら、最新の知見や将来展望についてご発表いただきたい。

鏡視下手術は既に広く普及し、その有効性と安全性が証明されつつある。いろいろな臓器あるいは分野における、独自の工夫とその成果について画像で供覧していただきたい。

高難度手術は件数が少なく、実施には術者・施設に関する要件があることが多い。これを上手に次世代に継承するために、各施設でどうしているかの現状と課題を示していただき、討論していただきたい。

低侵襲手術・機能温存手術・縮小手術、これらは同一の概念ではないが、治療の質を落とさず、合併症や後遺症を減らすという目的は同一であろう。それぞれの演者の仮説、方法そしてその成果を示していただきたい。

頸部・腋窩・縦郭・大動脈周囲・鼡径などの各リンパ節郭清は、複数の診療科で実施されている。癌はその発生した解剖学的部位だけでなく、そのbiologyが異なるため、一様でないが、各分野で実際に行われているリンパ節郭清を供覧すると共にそれぞれの立場からその意義を論じて頂きたい。

多くの症例を経験する中で、対処困難と思われる事態に必ず遭遇する。手術困難であったが、発想と工夫で安全に実施でき、示唆的と思われる症例をビデオで報告していただきたい。

筋肉量・運動能力が減少し健康被害が起きやすくなるサルコペニア・フレイルは、加齢、担癌、手術あるいは抗癌治療で誘発・悪化することが指摘されている。サルコペニア・フレイルの判定に有用な指標、侵襲の影響、そして介入の効果について論じていただきたい。

小児期と成人期の間にあたるAYA世代では、症例が稀なことが多く、さらに病気の治療が身体機能、精神状態、社会生活などに及ぼす影響など問題を抱える。AYA世代の外科についてのご経験の報告を期待したい。

働く世代ががんに罹患することは、働く本人・家族にとってはもちろん、職場への影響も大きい。 就労上の問題だけでなく、トータルの支援を多職種で行っている取り組みについて報告していただきたい。

救急外科、肝臓外科あるいは頭頸領域におけるIVRと外科の協働治療、あるいは手術後の合併症に対するIVR治療など、IVRは外科にとってなくてはならない技術といえる。最新の技術や治療法についての紹介を期待する。

2013年にNPWTがようやく日本で使用できるようになった。その後、創傷管理のパラダイムシフトを来たし、現在は適用が拡大され外科系のあらゆる診療科で使用されている。しかしながら、適応に関して診療科間でのコンセンサスが得られているとは言いがたい。NPWT施行の現状と問題点を発表いただき共通の認識を深めたい。

静脈内留置カテーテル（以下カテーテル）は、外科領域においても診療補助の目的で頻繁に利用されるが、刺入部のバリア破綻が微生物の侵入門戸となり、重篤な合併症であるカテーテル関連血流感染（CRBSI）の原因となる。本セッションでは、それぞれの領域のエキスパートの先生方より感染防止対策の視点からお話を伺う機会としたい。

がんの存在自体、そしてがん化学療法による修飾が加わり、がん患者では静脈性血栓塞栓症（VTE）が年々増加している。 外科系医師においてもVTEへの理解と対策が必須の時代であり、現状と問題点について情報を共有したい。

一時的なストーマ造設の予定が、一生付き合うストーマとなりうる。そのため、ストーマサイトマーキングは緊急時であっても実施が求められる。さらに、造設位置によっては傍ストーマヘルニア等の合併症も起こりうる。そこで、最もベストなストーマ造設と管理のポイントを報告していただきたい。

人工乳房が保険適応となり、乳房全切除後、人工乳房による一次的乳房再建が“Oncoplastic surgery”として広く普及している。しかし、本来、“Oncoplastic surgery”は乳房部分切除と部分再建を組み合わせることによって乳房温存術の適応拡大を図り、乳房切除術を避ける概念である。そこで乳房部分切除＋部分再建あるいは乳房全切除＋再建の立場から、それぞれ経験を提示し、これからの方向性を論じて頂きたい。

肉腫、神経内分泌腫瘍、悪性中皮種などは発生頻度が少なく、そのためランダム化比較試験などが十分に行えず、エビデンスのある治療法が少ない。しかし、近年その診断と治療において進歩があり、外科系医師として知っておくべき重要な情報を共有したい。

大腸癌肝転移に対する切除は標準治療とされているが、胃癌・乳癌・膵癌・GISTなどの肝転移においても切除が有効な場合がある。各施設でのご経験を報告下さい。

骨盤臓器脱においては、直腸、膣、子宮、膀胱など多臓器の脱出が認められることが多い。チームアプローチをおこなっている施設での診療の実際を提示いただきたい。

栄養の有用な指標、手術や抗癌治療の栄養指標からの適応、および低栄養に対する栄養介入の効果について、それぞれの施設の多職種によるの取り組みを報告していただきたい。

がん医療は一人ひとりのゲノム情報に基づく個別化医療へとパラダイムシフトが起きつつある。最新のがんゲノム研究によって得られた知見と、その外科応用の可能性について報告していただきたい。

開腹手術は鏡視下手術の普及に伴い減少し、しかも隣接臓器浸潤や高度癒着例など高難度手術に限られる傾向がある。高難度開腹手術の伝承をいかに円滑に進めるかは重要であるが難しい問題である。各施設での取り組みの報告を期待する。

手術リスクの高さと周術期管理の重要性が一層増している。術後の誤嚥性肺炎などの合併症や死亡リスクを回避し、廃用症候群を予防しながら早期離床を行うことにより、早期に一般病棟でのリハビリに繋ぎ在院日数を短縮することが重要である。取り組みとその成果を報告していただきたい。

骨転移癌の治療においては手術治療、放射線治療あるいは薬物治療、さらには転移癌治療後のリハビリを含め多様な選択がある。キャンサーボードなど原発診療科との連携を含めた治療のフローチャートを紹介していただき、系統だった討論を期待する。

諸施設での救急医療における高齢者の問題とその対応を提示し、解決策と今後の展望について議論する。

我が国は、①医療や介護等の地域包括ケアの現場におけるネットワーク化、②個人の医療・健康等データの活用基盤の構築、③AI、IoT等など医療現場で活用可能なモデルの構築を推進している。そこで、外科領域におけるAI・ICTなどによる医療と看護の現状、さらに将来についても報告していただきたい。

患者にとってComfortableな医療の提供は、重要である。一方で、医療者にとってもComfortableな医療の実施が必要である。この両者を達成するために、医師と特定看護師との協働が注目されている。そこで、この協働の実際について報告していただきたい。

切除不能癌に対する導入化学療法は、様々な臓器において、切除率の向上や予後の改善に寄与することが明らかとなりつつあります。一方で切除可能癌に対するNACの意義は癌種毎に異なるものと思われます。術前化学療法の意義に関し、様々な癌を治療する立場からの報告を期待します。

鏡視下肝胆膵手術・ロボット支援下手術など高難度手術チームを編成する必要が生じている。一般の外科診療を損壊しないようにしながら、専門性の高いチームを編成する取組みの紹介を期待する。